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胸の痛み・脈の乱れ・足の冷え

胸が痛む、動悸がして脈が乱れる、あるいは足が冷えて歩くと痛むといった症状は、心臓や血管という「血液の通り道」に何らかのトラブルが起きているサインかもしれません。これらの症状は、放置すると日常生活に支障をきたすだけでなく、重大な事態につながる可能性もあります。

この記事の内容は一般的な情報であり、個別の診断に代わるものではありません。気になる症状がある場合は、自己判断せず、速やかに医療機関に相談してください。

胸の痛みと足の冷えの正体

「胸の痛み」「脈の乱れ」「足の冷え」は、一見すると別々の症状のように思えますが、実はどれも「血液の循環」に関わっています。

心臓はポンプとして全身に血液を送り出し、血管はその血液を運ぶホースのような役割を果たしています。心臓というポンプの動きが悪くなったり、血管というホースが詰まったり細くなったりすると、酸素や栄養が十分に行き渡らなくなり、痛みや違和感として現れます。

特に心臓血管外科の領域では、こうした循環のトラブルに対して、お薬による治療だけでなく、カテーテル治療や手術といった専門的な処置を検討する場合があります。

主な原因・背景

これらの症状を引き起こす代表的な原因には、以下のようなものがあります。

血管の動脈硬化

血管の壁が厚く、硬くなる「動脈硬化」は、多くの血管疾患の背景にあります。

  • 狭心症・心筋梗塞: 心臓自体に栄養を送る血管(冠動脈)が狭くなったり詰まったりすることで、胸の痛みが起こります。
  • 閉塞性動脈硬化症(ASO): 足の血管が動脈硬化で狭くなり、血液が十分に届かなくなることで、足の冷えや痛みが生じます。

心臓の電気信号の乱れ

  • 不整脈: 心臓を動かすための電気信号が乱れることで、脈が速くなったり、飛んだり、不規則になったりします。これが「脈の乱れ」や動悸として感じられます。

心臓の弁や大血管の異常

  • 心臓弁膜症: 心臓の中にある「弁」が十分に開かなくなったり、閉じなくなったりする病気です。
  • 大動脈瘤: 全身に血液を送る最も太い血管である「大動脈」がコブのように膨らむ状態です。

代表的な症状

ご自身の症状が以下のいずれかに当てはまるか、セルフチェックの目安として確認してください。これらは診断ではありませんが、受診時に医師へ伝える重要な情報となります。

胸の痛み

  • 階段を上るときや重いものを持ったときに、胸が締め付けられるように痛む。
  • 安静にしていても、胸の奥が重苦しい感じがする。
  • 痛みだけでなく、背中や肩、あごの方まで痛みが広がる感覚がある。

脈の乱れ

  • 突然、心臓がドキドキして胸が苦しくなる。
  • 脈がバラバラに打っている感じがする
  • 一瞬、脈が抜けるような違和感がある。

足の冷え

  • 左右の足で温度差があり、片方だけ極端に冷たい。
  • しばらく歩くと足が痛くなり、休むとまた歩けるようになる(間欠性跛行:かんけつせいはこう)。
  • 足先の色が白っぽかったり、紫色っぽかったりする。

受診の目安

心臓や血管の症状には、一刻を争う「緊急事態」が含まれます。

直ちに救急車を呼ぶべきケース

  • 激しい胸の痛み: 「これまでに経験したことがないほどの激痛」が突然現れ、15分以上続く場合。
  • 突然の背中の激痛: 胸から背中にかけて突き抜けるような痛みがある場合。
  • 意識消失・強い息切れ: 意識が遠のく、あるいは座っていても息苦しくて会話ができない場合。

早めに専門医(循環器内科・心臓血管外科)を受診すべきケース

  • 動悸や脈の乱れが頻繁に起こる。
  • 歩くと足が痛み、以前より歩ける距離が短くなってきた。
  • 足の傷がなかなか治らない。
  • 健診などで「心雑音」や「心電図の異常」を指摘された。