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足の痛み、変形

足(足首から先)は、私たちの全体重を支え、「歩く」「立つ」といった日常の基本動作を可能にする土台です。そのため、足に痛みや変形が生じると、歩行が困難になるだけでなく、膝や腰など他の部位への負担も大きくなり、生活の質(QOL)を大きく低下させてしまいます。「年齢のせいだから」「靴が合わないだけ」と放置されがちですが、適切な診断と治療によって改善が期待できるケースは少なくありません。
この内容は一般的な情報です。患者さんによって原因や適した治療法は異なるため、気になる症状がある場合は、自己判断せず医療機関に相談してください。

歩行を支える足の土台と痛みのサイン

足の構造は非常に複雑で、片足だけで26個もの骨(種子骨を含めると28個)が組み合わさり、多くの関節、靭帯、筋肉が緻密に連携しています。これらが組み合わさって「アーチ構造(土踏まず)」を作ることで、地面からの衝撃を吸収し、効率よく地面を蹴り出す力を生み出しています。

「足の痛みや変形」とは、この緻密なバランスが崩れた状態を指します。骨格が歪んだり、関節の軟骨がすり減ったりすることで、足の形が変わり、荷重がかかるたびに痛みが生じるようになります。特に足の外科外来では、つま先から足首周りまでの幅広いトラブルを専門的に扱います。

主な原因・背景

足の痛みや変形を引き起こす原因は、生活習慣から加齢、他の疾患の影響まで多岐にわたります。

骨格の変形によるもの

  • 外反母趾: 親指の付け根が外側に突き出し、親指が人差し指の方へ曲がっていく状態です。幅の狭い靴の使用や、足の筋力低下などが背景にあると言われています。
  • 扁平足: 足のアーチが崩れて土踏まずが平らになる状態です。大人になってから発症する「成人期扁平足」は、足首の内側を通る腱(後脛骨筋腱)の変性が主な原因となることが多いです。

炎症や軟骨の摩耗によるもの

    • 足底腱膜炎: 足の裏にある膜状の組織が炎症を起こす病気です。朝起きた時の一歩目や、長時間歩いた際に踵(かかと)の周辺が痛むのが特徴です。
    変形性関節症: 長年の使用や過去の怪我の影響で、足首や足の甲の関節の軟骨がすり減り、痛みや腫れ、変形が生じます。

その他の疾患

  • 関節リウマチ: 自己免疫の異常により、足の指や足首の関節に強い腫れや変形が生じることがあります。
  • 通風: 尿酸値が高いことで関節に結晶がたまり、突然の激痛と腫れを引き起こします(特に親指の付け根)。

代表的な症状

ご自身の状態を確認する目安として、以下のような症状がないかチェックしてみてください。これらは診断ではありませんが、受診時に伝えるべき重要な情報です。

  • 見た目の変化: 指が重なっている、親指の付け根が赤く腫れている、土踏まずがなくなった。
  • 痛みの出方: 動き始めの数歩が特に痛む。
  • 靴の悩み: 以前履けていた靴が入らなくなった、靴の片側だけが異常にすり減る。
  • しびれ: 足の指の間や足の裏にピリピリとしたしびれや違和感がある(モートン病などの疑い)。

受診の目安

「痛みがあっても歩けるから」と我慢してしまうと、変形が固定され、治療が難しくなることがあります。

早めの受診が必要なケース

  • 急激に関節が赤く腫れ、熱を持って激しく痛む。
  • 足に傷ができ、なかなか治らない(特に糖尿病をお持ちの方)。
  • 転倒や捻挫をした後から、足をつくことができない。

医療機関への相談を勧めるケース

  • 市販のインソールや靴の買い替えを試しても、痛みが改善しない。
  • 足の形が明らかに左右で異なり、歩きにくさを感じる。
  • 痛みのために、散歩や買い物などの外出を控えるようになっている。