【循環器内科】胸の違和感・息切れは危険信号?知っておきたい「心臓の異常」と最新治療
循環器内科 尾垣広幸
心臓の仕組みと「循環器疾患」とは?
心臓は、全身に血液を循環させるための「ポンプ」の役割を果たしています。このポンプは、さまざまな部品や仕組みが組み合わさって動いています。
- 駆動部分(心筋): 心臓を動かす筋肉
- 逆流防止弁(弁): 血液が逆流しないように開閉する弁
- 配管(冠動脈): 心臓自身にエネルギー(血液)を届ける血管
- 電線(刺激伝導系): 心臓に動く指令を伝える電気の通り道
これらのどこかに異常が生じると、以下のような病気が引き起こされます。
- 心筋が弱る ➔ 『心筋症』
- 弁が故障する ➔ 『弁膜症』
- 配管(血管)が詰まる・狭くなる ➔ 『狭心症』『心筋梗塞』
- 電線(電気系統)に異常が出る ➔ 『不整脈』
さらに、心臓だけでなく全身の血管が詰まったり、瘤(こぶ)のように膨らんだりする病気(大動脈瘤など)も含めて、これらをまとめて「循環器疾患」と呼びます。
なぜ予防が重要?「サイレントキラー」の恐怖
心血管疾患は、がんと同様に初期の自覚症状がほとんどありません。症状が現れた時には、すでに重症化していることが多く、「サイレントキラー」とも呼ばれています。そのため、症状が出る前に予防に努めることが極めて重要です。
日本人の死因第2位は「心疾患」
2020年の統計によると、心疾患(高血圧症を除く)による死亡者は約20万人に上り、日本の死因順位で第2位(全死亡者の15%)となっています。脳血管疾患(7.5%)と合わせると、実に全死亡者の2割以上(22.5%)が循環器疾患で亡くなられているのが現状です。
最終的な状態「心不全」とは?
あらゆる心疾患が悪化し、最終的に心臓の機能が低下した状態を「心不全」と呼びます。心不全の5年生存率は約50%とされ、これは大腸がんの生存率とほぼ同等です。さまざまな循環器疾患が最終的に辿り着く「終末的な状態」ともいえます。
今日からできる!循環器疾患の予防と早期発見
心不全や動脈硬化を引き起こす大きな要因は、高血圧・肥満・糖尿病・脂質異常症などの「生活習慣病」です。
生活習慣の乱れが続くと、動脈硬化が進行して全身の血管がダメージを受けます。早期から以下のような良い生活習慣を身につけることが、予防の第一歩です。
- 運動の習慣化(肥満予防)
- 禁煙
- 減塩(高血圧の予防)
- 節酒
循環器疾患の治療と当院の取り組み
心臓や血管の治療では、「どこに問題があるか」を正確に診断し、タイミングよく早期介入することが病状の改善や悪化防止に欠かせません。そのためには専門的な知識と特殊な検査機器が必要です。
当院では、患者さまが安心して治療を受けられるよう、以下のような高度な医療体制を整えています。
- 早期介入・薬物療法:生活習慣改善の指導や適切な薬物治療
- カテーテル治療(専門分野):
- ○狭心症・心筋梗塞に対する「冠動脈カテーテル治療(PCI)」
- ○下肢動脈の狭窄に対する「末梢動脈カテーテル治療」
- 他院との高度な連携:弁膜症や不整脈(アブレーション・ペースメーカー治療など)における連携診療
- 整形外科との密接な連携:高齢者手術の増加に伴い、循環器疾患をお持ちの患者さまも安心して手術を受けられるサポート体制
気になる症状や不安があれば早めにご相談ください
循環器疾患は「早めの予防」と「早期発見・早期治療」が何よりも大切です。 健診で高血圧や脂質異常などを指摘された方や、階段での息切れ、胸の違和感など気になる症状がある方は、どうぞお気軽に当院の循環器内科までご相談ください。






